のび太リアニズム

アクセスカウンタ

zoom RSS のび太の誕生日にあたって 

<<   作成日時 : 2010/08/07 10:25   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 5 / トラックバック 1 / コメント 2

本日はのび太の誕生日であります。
これに際し、のび太について少しばかり語ってみようと思います。

のび太というと、
ドジ・のろま・おっちょこちょい・勉強ダメ・運動ダメ……などがよく挙げられ、
「ダメ人間」の象徴とされています。
のび太のおっちょこちょいぶりやダメっぷりに
読者・視聴者(特に子どもたち)は笑いますが、
笑っている途中あるいは笑った後、
もしくは大きくなってその当時を振り返ってみると、
その笑いとはいじめにおける傍観者の笑いとは
明らかに異質であることが容易にわかります。
また、お笑い番組を視聴した際の笑いとも異なることがわかります。
それは、おっちょこちょいぶりのギャグとしての笑いの中に、
自分自身の「のび太要素」を寛容に受け入れようとする態度が
内在していると思われるからです。

のび太に対する私たちのとらえ方はどんなものなのでしょうか。
本当に「バカだ」と思って一蹴する方ならば、
おそらく『ドラえもん』は読んだり観ていないでしょう。
ある程度『ドラえもん』が好きな方ならば、
のび太を「バカだ」と思いつつも、
読者・視聴者自身にどこか存在する「弱さ」を具現しているのび太には
共感して応援したくなる気持ちも当然生じます。
その上で、しずかちゃんに対する一途な思いや純粋でやさしい心に
心打たれるときがあります。
特にのび太の仏のような優しさについては、
願望の念さえ生じる方もいらっしゃるでしょう。 私がそうです

思うに、私たちが感じる「のび太意識」というのには、二面性を持っています。
1つ目に、自己悲観としての意識。
そして2つ目に、自己肯定としての意識です。
のび太については、F先生も次のように発言されています。
『自分の弱さ』と言うものを知り尽くしながら、
それでもやっぱり1歩でも2歩でも前に行きたい。もう少し高いところに行きたい。
そういう気持ちを持ち続けている『のび太』っていうのが、
ボクは本当に大好きなんです。
   (『ドラ言葉』より) 
本当に自分はどうしようもないけれども、
それでものび太のように希望をもって生きられる、
という前向きな気持ちになるきっかけを、のび太は私たちに与えてくれています。

のび太のモデルはF先生ご自身、と言われていますが、
拡大解釈して、のび太というのは、
誰もが持っていて自覚している自分自身の弱さと、
本来人間に備わっているが自覚しにくい、
他者とのコミュニケーションを通じた自己向上心の
主に2つを具象化したモデルだと私は解釈しています。
ですから、私たちはのび太に対する共感と励まされる気持ちを同時に
感じるものなのだろうと思います。
そういった意味で、のび太は非常に「人間臭い」キャラクターといえます。
現実の人間さえ表さない人間性を常に強烈に発しているからです。
のび太に触れて、のび太とは一体なんだろうかと考えることがあるとき 
(たとえば「45年後…」など、のび太について考えさせられる作品)、
結局私たちはのび太を通して
「人間そのもの」について考えていることになると思います。
自分も「人間」であるからこそ、
この熟考は自分自身のこれからの人生を歩むにあたっての
重要なチャートになるのではないでしょうか。


対照的なのが出木杉です。
のび太が人間の本質の具象化というならば、
出木杉はある理想の観念化の結果である、と私はみなしています。
出木杉の苦悩とか悪いところなど作品の中では見つけられませんが、
それは出木杉に対するイメージだけが先行しており、
それがそのまま「出木杉」になっているからだと思われます。
そして、私たちが現実に職場や学校などの現場において、
特定の人物を「あいつ、まさに出木杉だ」と表現することがあります
(同時に自身は対照的なのび太と表現します)。
しかし、ここには注意すべき点があります。
それは、その人物のある特定の面のみにおいて「出木杉」視していても、
そこの部分についてはその人物を観念化しているにすぎない、
ましてやその人物そのものを完全に「出木杉」視しているならば、
その人物全体を観念化していて、
人間性についてはほとんど無視している(盲目)状態であることを
自覚せねばならないことです。
たとえば、実際にのび太と出木杉が射撃の対決をしたら、
おそらくのび太が勝つでしょう。
しかし、その勝負の機会は、F先生・シンエイのスタッフさんともに
タブーであるように思われます。
それは、出木杉のイメージを崩すことになり、
作品内における出木杉の存在意義がなくなると思われるからです。


出木杉との比較から、のび太の「人間臭さ」がいっそうよく伝わります。
ひょっとしたら、のび太が最も「人間らしい」人間なのかもしれません。

最後の最後に。
野比のび太くん、お誕生日おめでとう!
のびみつにとっては、自分自身の第2の誕生日、という感じがしてなりません!

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 5
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
ナイス ナイス

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
わさドラ感想第294回 スケジュール時計,ニンニン修行セット(2017.9.8)
いろいろとヤバい週でした。 ...続きを見る
のび太リアニズム
2017/09/15 21:09

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
私も共感です〜。
F先生の言葉は、感動的ですね。
何もかも出来てしまう出木杉よりも、のび太の方が格好良いと思っています。

「キミの中ののび太」という歌がありますが、その歌詞が本当に好きなんですよ。
初めて聴いた時は、胸がジーンとしました!
「キミを守るような つよさになるよ」
この部分がお気に入りです。
ドラえもんがいるから、笑える。強くなれる・・・。
キミを守るような強さに・・・。

のびみつさんは、のび太のことをよく理解していらっしゃるんだな〜と思います。
私も好きです、のび太くん・・・。
生まれてきてくれて、ありがとう〜!
ミルクココア
2010/08/07 21:28
ミルクココアさん、コメントありがとうございます!

私も「キミの中ののび太」好きです。実はこの歌を聴くところからのび太考は始まりました。けっこう考えさせられる歌ですよね。
ブログ紹介にある「強烈なのび太意識」というのも、自己悲観兼自己肯定です。完全にのび太を理解しきることはできませんが、理解しようとするプロセスは大切にしたいと思います。

まぁ、硬そうな内容を書きましたけれども、単純にはのび太くんに母性本能をくすぐられるんですよね。これが一番重要なのかもしれません(笑)。
のびみつ(管理人)
2010/08/07 23:15

コメントする help

ニックネーム
本 文
のび太の誕生日にあたって  のび太リアニズム/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる