のび太リアニズム

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zoom RSS わさドラ感想第47回 新のび太と鉄人兵団(2011)

<<   作成日時 : 2011/04/30 20:44   >>

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映画ドラえもん「新のび太と鉄人兵団」の感想記事です。

※長らく工事未完でしたが,2013年4月2日工事が完了し,全部公開しました。

ネタバレしていますので、厳重に警戒してください。


この映画は(もちろん原作もですが)、
非常に強烈な意味をたくさんもっており、考えさせられるものです。
単なる冒険・戦いではありません。
それも、鑑賞者が映画中の無意味な冒険・戦いから
よみとることによって得られる意味ではなくて、
映画そのものが鑑賞者に強烈な意味を提示し、
鑑賞者が鑑賞者なりに、
自分の場合に即して各自その意味を咀嚼するものだととらえます。

ほかの人(ヒトとは限りません、対象と言いかえてもいいでしょう)
を助けるということはどういうことなのか?
相手を思いやることとは? 自己犠牲とは?
これは場面が特定されますが、
やろうとすることが悪だと感じる罪悪感の一方で
「祖国」の構成員としての義務感。その相反する感情の葛藤。


そのようにいろいろと鑑賞者に意味をぶつけながら、
ストーリーは丁寧に、わかりやすく、
そして表現豊かに描かれていきます。
端折ってわかりにくいところも、
冗長で退屈なところも全くありません。絶妙な時間配分です。
これまでの映画では、
映画の進むスピードに振り回される場面が
少なからず存在したものがありましたが、
今年の映画は私にとってちょうど良いスピードでした。
はじめて観るときから。そう感じました。
スピードがちょうどいいだけではなく、
場面場面に見応えがあり、満足のいくものでした。


具体的なストーリーとしては、
@ピッポがのび太に助けてもらったこと、
Aリルルがしずかちゃんに助けてもらったこと、
Bピッポがリルルに助けてもらったこと
が互いにつながっていく過程の描写が見事でした!

伏線のはり方も素晴らしく、重厚的・重層的な感動が味わえ、
「完全燃焼」した映画だという印象を受けました。
読後感ならぬ観後感も満足したものでした。
「鉄人兵団」はファンの間で最高傑作と評され、
今回の映画も1986年の映画と比較されがちで、
非常にハードルの高いものでしたが、
新たな重要キャラ・ピッポが曖昧な存在にならず、
大成功のリメイクだったと思います。


では、各シーンについて、記述していきます。
しかし、のちのストーリーと関連があるものについては、
さきに記述しています。


・アムとイムのうた
「東宝」の画面のあと、
すぐにアムとイムの製作風景。
歌から始まるのは、「人魚」もそうでしたが、
今年の歌は挿入歌という意味を超えて重要です。
それは、ストーリーの核心にかかわるからです。
「3つ目に想う、あなたはなあに 私はなあに」。
疑問形です。
この疑問に答える過程が
ストーリーの展開と隠れた同時進行になっています。

ついでなので、最後ではなくいま、もう書いてしまいますね。
今年の映画が特異的なのは、春巻きさんもおっしゃっていますが、
映画の上映が終わっても私たちが日常に帰れない、ということです。
それはなぜなのか?
私なりに考えたところ、
クライマックスの場面(二人が消える)が終わったあと、
日常の描写に戻るところにあったように思われます。
これまでのわさドラ映画(大部分の大山ドラ映画も含むと思います)では、
日常の描写では特段の感動はなく、
クライマックスで最高潮に達した気持ちを落ち着かせる効果を持っていました。
そこで日常に帰ってきたんだなぁと感じさせ、
落ち着いてエンディングを聴いて、劇場が明るくなって……となるものでした。

しかし、この映画は違います。
クライマックスで終わりと思われた感動が、また押し寄せたのです。
それも、クライマックスと同じか、さらにもっと増幅されて。
それは2つ。
二人が生まれ変わって天使になって、遊びに来てくれたこと。これが1つめです。
そして、もう1つが、これまでのストーリーを通じて、
リルル・ピッポが「3つ目に想う、あなたはなあに 私はなあに」に対する
答えのようなものを獲得したことです。
ですから、その「答え」となる歌が聞こえたときののび太の表情は、
非常に含蓄に富むものです。
私たちは、唖然。唖然。
そして、のび太が「生まれ変わったんだ!」と言って笑顔になるとき、
私たちの感動は緊張がほどけ、一気に爆発するのです。
涙腺は決壊、私は嗚咽までしてしまいました。
「友達の唄」の前奏が同時に始まり、その歌詞をじっくり見て聴くと、
さらなる感動に包まれます。本当にこういうのを主題歌というのだなあ、と思いますね。
主題歌が流れている間も泣き続ける
(ストーリーを引きずって泣いているだけでなく、
主題歌自体が泣くきっかけにもなっている)のですから。
誉め言葉ですが、この映画は、実に罪深いです。



・地球人捕獲作戦開始!
映画の冒頭からBGMがすごいです。
サントラ、早く出して! 今すぐ出して! 直ちに出して! すぐさま出して!
リルル登場。
リルルの表情と沢城さんの「はっ」がマッチングしすぎですね。


・「キャー! のび太さん、あれ」(しずかちゃん)
外では冷静なのび太。
しずかちゃんが本気でこわがっているとすれば、
しずかちゃんかわいすぎ(笑)。
いえいえ、土管の上に座っていて、
本来はロボットを見下ろしている立場なのですが、
ロボットが迫力たっぷりに動くので、
見上げているような感覚になるのですね。
その誇張の描写がナイスです。
ストーリーの骨格ではありませんが、
そういうところも丁寧に、手抜きをせず描いているのがすごいですね。


・「ドラえもん……」(のび太)
OP前の決まり文句ですが、今年は叫んでいませんね。
タイトルの表示のときの音楽がカッコよすぎです!

・のび太、北極へ
「ドラえもんでガマンするからさぁ」。
さらっとひどいこと言っていますね。
部品にのって滑り落ちていき、
偶然どこでもドアを通って部屋に戻るのは、
何度見ても笑えます。笑うところできちんと笑えるのもgood。


・組み立てたいのび太
「ありがとうドラえもん!」とドラに抱きつくのがいいですね。
声も作画も申し分ありません!
どんどん部品が落ちてきて、組み立てたいのび太。
ドラえもんは持ち主に返さなきゃ、と言います。
それに対し、「神さまが授けてくださったんだぁ」とダダをこねます。
ストーリー上あまり意味はありませんが、
のちにメカトピアの神(科学者)が出てくることを考えると、
伏線とまでは言わなくても、
何かを示唆しているように思えないこともないのでは……?

無事組み立てることになり、
のび「庭でいいじゃん」
ドラ「ママが怒るよ、洗濯物ができないって」
のび「洗濯なんてよけいなことしなきゃいいのに」
と、不満そうに片足キック?を繰り返します。
洗濯は日常生活において不可欠な行為であることは言うまでもありませんが、
それをさしおいてでもロボットを組み立てたい、という感じがすごくいいですね。


・早く行こう! 今すぐ行こう! 直ちに行こう! すぐさま行こう!……
同じ言葉を繰り返さずドラえもんをせかすのがすごいですね。
部品が庭に落ちてきたとき、
ママに「ご心配なく」→「おかまいなく」と言って、
同じ意味を違う言葉で言っています。
そういうところに意識して観るのも、隠れた見どころです。


・「鏡の世界だ!」(のびドラ)
のびドラがおざしき釣り堀に顔をつっこみ、
のび太視点で部屋を見渡します。
私たちも一緒に楽しめるのがナイスなのですが、
さらに素晴らしいのが、ドラと目があったときに、
ドラがにっこり笑うところ。
のび太視点なのでわかりませんが、絶対、
のび太もにっこりしているでしょう。
素晴らしすぎ! 素晴らしすぎ! ここのシーン大好きです!


・次々と来る部品
かるがるてぶくろをつけたドラが、5本指……!
3月11日にイセルーマさんに直接教えてもらったのですが、
ドラがいちいちのび太のタケコプターをつけたりはずしたりしてあげています。
細かいですね。なんともほほえましいシーン。

ドラ「新しいのが来るぞ!」のび「手だ」ドラ「どんどん運ぼう」。

空から部品がふってくる……あまりにも奇妙な現象ですが、
なんだかわからないけれど楽しむという
子どもの特徴を非常によく捉えていますね。


・夕食の風景
ママ「地震かしら、いやぁね」。
3月末、西日本のとある劇場では
パパさんママさんの小さな笑い声がおきていました(不謹慎ですが)。
パパがテーブルに落としたミニトマト?を、「あーん」してあげるママ。
これ、けっこう意味があると思いませんかね。
のちのちに、かの有名な空き地でのバーベキューシーンで、
のび太がピッポに串を「あーん」してあげていますし、
直後に、ジャイアンがスネ夫に「あーん」してあげています。
大切なひと(ヒヨコもいますが)に「あーん」してあげることで育まれるキズナ。
パパママだってそうですね。


先の話をすると、釣り堀と鏡に敏感になる夕食の風景と対照的です。
のび太の食欲旺盛と食欲不振。洋食と和食(焼き・ド・サンマ?)。


・部品を組み立てて、完成!
ニャバダ・ワンダフルにのって、軽快にストーリーが進みます。
軽快であるため、
ロボットをつくるときの興奮はどうしても目減りしてしまいますが、
とりたてて批判するものではないでしょう。
完成したばかりのザンダクロスの逆光シーンはすばらしいものです。
個人的に好きなのは、
ドラが鏡面世界にやってきたジュドの頭脳を
「ポイ」とおざしき釣り堀に投げ捨てるところ、
ママがこけまくるところ、
「強そうな腕だな」云々ののび太発言に対するドラのスルーっぷり、
モニターに外の風景が映ったときの、のび太のいかr……はしゃぎ具合です。


・操縦するのび太
のびドラの表情がすごくいいですね。作画が最高です。
吹き出すドラも最高です(笑)。

・羽根をつけたら
この歌もいいなあ。神曲です。
劇場でこの歌に聴きほれていたら、なぜか笑い声が。
あ、そうだった、のび太がこけたりおぼれたりしたシーンです。
ふつうの人や1回目に観る人は、ストーリーに目が行くのでしょうね。
一般の人には、「観れば観るほど面白いよ!」と教えてあげたいです。
さて、ザンダクロスが湖(私の推測では、おそらく中禅寺湖がモデル)を泳ぎ、
ドラが砂浜に顔が埋もれて、抜け出します。
これ、あとから似たような光景を見ませんでした?
そうですそうです、次元震でドラの顔が地面に埋もれて、のび太がひっこぬいて、
のび太のからだの上で3の口をしてとぼけ、
重そうにしているのび太を「あらごめん」と起こすシーン。
今回の映画は、全部が全部のところにつながっているのです! 
だから、一瞬も目をそらすことができませんね。


・赤坂見附バレエ
きょとんとしたしずかちゃんがかわいすぎますね。
ザンダクロスのバレエは、
最後に上半身と下半身がくねるのがとくに笑えます。
ロボットなのになまめかしい……。


・破壊された都心
ザンダクロスからビームが発射され、都心が破壊されます。
そのとき、ウワッと非常に恐い気持ちになります。
しかし、うら山でピッポがザンダクロスを動かすとき、
リルルを助けるとき、
クライマックスのたたかいのところで、胸から多数のミサイルが発射されるとき、
などのザンダクロス攻撃シーンは、
非常に頼もしく、カッコよく、同時にさいごなどは悲壮感さえ漂っています。
同じ攻撃シーンなのに。
こういう違いを味わうのも、この映画の醍醐味です。

さて、話を戻し、都心の破壊シーン。
土ぼこりが爆風にのって一気にザンダクロスの方にくる様子は、迫力満点です。
そして、目の前で砕け散ったガラスが降る様子。
非常におぞましい光景にであうと、人はただ唖然とするだけなのでしょう。
夕方、ザンダクロスから降りた3人。
動物がいない鏡面世界の「しーんとしちゃってる」静寂のなかで、
のび太の足音、転がる小石の小さな音は、
直前の大きな爆発音を私たちの記憶の中でさらに引き立てる効果があるでしょう。



・ザンダクロスの喪失感
窓際、2列目の席で居残りするのび太。
この映画の最後には、一つ前の席にいます。


・しずかちゃん、リルルとの邂逅
邂逅といっても、すれ違っただけですが。
非常に印象深いシーンです。
しずかちゃんは、向こうから歩いてくるリルルを見て、
自分が雨があがっているのに傘をさしたまま歩いていることを気づきます。
その恥ずかしさと、きれいなリルルに見とれたことの2つの理由により、
顔が紅潮したのでしょうね。


・リルルがのび太の前に
BGMが、心霊番組に出てきそうな不気味なものでナイスです。
ミクロスがスネ夫と同じように赤面したりして、
のびリル以外のところも見応えがあります。
ミクロスって、
リモコンで操縦されていないときはスネ夫と同じように
行動するようにプログラムされているんじゃないでしょうかね? 


・「あれは……土木工事用ロボットよ」(リルル)
間が気になります。
最初に映画を観たとき、私はそれをウソだ、と思いました。
破壊力を要する土木工事は、古いビルを破壊するとか、
トンネルを採掘する程度しか思いつかず、
あれほどの破壊力は不要だと考えたからです。

しかし、何度か観ると、土木工事用ロボットでいいのではないか、
と思うようになりました。
確かに、土木工事にはそれほどの破壊力は必要ありませんし、
リルルの間も気になるところではありますが、
ロボット界の支配・被支配というくだりで、のみこむことができました。

前近代まで、貴族ロボット・金持ちロボットが奴隷ロボットを支配していました。
近代になり、ロボットは皆平等との考えが広まり、
奴隷ロボットは解放されました。
しかし、どうでしょう。確かに皆平等との思想が広まり、
表面上はロボットは皆平等ですが、
実質的には労働ロボットは「使い捨て」のようにコキつかわれていて、
ゴミみたいに思われ続けています。
その象徴として、メカトピアでは歌は貴族だけのものとされており、
差別が続いています。

コキつかわるのに、社会から低くみられがちな労働の代表格的存在が、
土木工事関係だと思います。
もしもザンダクロス(というよりジュド)が総司令官直属の衛兵だとしたら、
ゴミには思われないでしょう。

……とはいえ、ただの労働ロボット・土木工事用ロボットでもないでしょう。
のちのシーンで、うら山近くで基地をつくっているとき、
リルルともども指揮的な立場にあることや、
リルル救出シーンで「ジュドまでもが我々を裏切るとは」という言葉が
副司令官から出ていることからわかります。
結論づけるならば、「現場」での責任者的存在なのでしょう。
責任者とはいえ、「現場」は「現場」。
社会の上層部からみれば、悲しいことにゴミにかわりないのですね。


・「ありがと」(リルル)
おざしき釣り堀をしばらく貸すこと、
今日のことを二人だけの秘密にすることを約束させるリルル。
受け入れるのび太に「ありがと」。
劇場で小さな女の子が直後に連呼していたことを思うと、
あの静寂の中で響くリルルの「ありがと」とその表情が、
老若男女の心をがっしりととらえるものなのですね。


・うら山に落ちていく流れb…部品
燃え尽きないのですね。そんな物質、地球にもほしい。
のび太は様子を見に行きます。


・糸なし糸電話!
糸なし糸電話。つまり携帯電話では? と思う方もおられますが、
この作品では盗聴k……げほごほん。
でも、ドラが「とべっ!」と言って
右手をシュッとする場面がカッコよすぎてしびれました。


・クライマックス級のドキドキ〜うら山でのたたかい
「あなただけは地球人の中で特別扱いしてあげる」「あなたが気に入ったの」。
ふつうの状況で聞いたら、デレデレしてしまうシーンなのですが、
今回は逆に恐怖をかき立てています。
ボリュームが大きくなる「さあ」の恐いことと言ったら!
「逃げられやしないわ」「待ちなさい!」の迫力も満点です。
BGMも迫力たっぷり。
カトンボたちも追いかけてきて、
林の中を逃げる描写がよく動くよく動く。
リルルの「待ちなさい!」ビームでドラのタケコプターが折れるときは、
ドキッとします。
次々と押し寄せる恐怖。
おざしき釣り堀をぬけて現実世界に戻ってきても、
ザンダクロスの手がつきやぶろうとしています。
はじめて見たとき、
「え? これで解決して、映画終わり? でもピッポも出てきてないよ」と
ガチで思いました。それほど迫力満点のシーンなのです!


・気づけば夜明け……眠いお昼
ドラはウトウトしながら「スーパーコアラッコ」のジグソーパズル。
子どもたちがうら山で徹夜したのですからね。
平和なお昼にウトウトするのは自然な流れですね。


・ジュドの頭脳にほんやくコンニャク!
ジュドの頭脳の「わっつめてっ」が大好きです! 
ぺちゃっという音も、「コンニャク感」をよく出しているなあと思います。
声優さんは、ピッポと同じ小林さんでしょうか? 
小林さんの声をスタッフさんが加工して。ジュドの頭脳の声、けっこう好きです。


・大変だー! 総理大臣官邸などへ電話
鉄人兵団が来る、とママに迫りますが、そのときの四字熟語が最高ですね。
順不同のあやふやな記憶ですが、
阿鼻叫喚、油断大敵、七転八倒?、さいごに新陳代謝〜!
お巡りさん、警視庁、自衛隊、総理大臣官邸、特命係に電話をかけます。
おい、あの人を忘れていますよ、国連事務総長!!
まっさきに国連事務総長でしょう(笑)

小ネタですが、
電話の脇にあったメモ用紙に「リホーム 高い」の単語を
見つけたような気がしました。これは……?

空き地のジャイスネは、
予告編通りのリアクション(ただし予告編は背景がのび太の部屋)。
あまりにも大げさすぎるので、
初回観たときは
「あっはっは〜! ありえん!」と軽蔑すると予想していましたので、
おっとっと……となりました。


・ジュドの頭脳がピッポに
ふたたび、ほんやくコンニャクぺちゃっ。
そのときのドラの格好がかわいくてかわいくて。
みんなの座り方にも注目ですね。しずかちゃんは正座で当たり前だとして、
スネちゃまが正座、ジャイアンがあぐら、
のびドラが足裏を合わせて。のびドラの座り方がかわいいです! 
私もよく家でやっています。股関節のストレッチになりそうですね(笑)。

さて、おはなしボックスでジュドの頭脳はピッポに。
足をパタパタしているのがかわいいです。
みんなのデレデレ具合がいいですね。
これが、ピッポの口の悪さを引き立てています。


・ピッポが歌う
ママに追い出されたドラたちは、
のび太がリルルに出会った場所に行きます。
ジャイアンはケンカを水に流す歌を歌いますが、
彼曰く、曲名は「真夏の愛の夢」。
しかしEDでは「おれ!ジャイアン!!」。
しかも、近々出されるCDでも、「おれ!ジャイアン!!(2011新曲)」。
まあ、「真夏の愛の夢」とは似つかわしくない歌い出しでしたしねぇ。

続いてピッポが歌います。アムとイムの歌を!
そこではじめて、冒頭の歌はストーリー上、重要なものだと気づかせます。

ドラ「ここにはそんな差別はないんだし、自由に歌っていいんだよ」
私は、このドラのセリフ「そんな差別」に2通りの解釈を見出しました。
1つは、労働ロボットが歌を歌ってはならないということ。
もう1つが、労働ロボット(労働者)がゴミみたいに思われていること。
前者の観点では、まあ確かに、と感じるだけですが、
後者の観点では、
現実の私たちの社会を考えるに、現実の地球ではそうともいえず、
「ドラ世界のなかの地球」と「私たちの地球」の違いを痛感します。
そして、私たちが生きる地球を恥じ、
なんとかしなきゃな、と感じざるをえません。


・鏡面世界へ
お風呂なら自分の家でもいいはずなのに、
(しずかちゃんの家の風呂は特別大きいわけでもありませんし)
あえてしずかちゃんの家を選ぶのがのび太クオリティですね。


・クライマックス級のドキドキ〜鏡面世界の路上でつかまるみんな
鏡面世界という別の世界とはいえ、
日常の風景が舞台なだけに、迫力に実感を伴います。
一部、作画の線(キャラの輪郭)が太すぎるだろうと思われるところがありました。
しずかちゃんがリルルに撃たれたときなどもそうでしたので、
迫力を要するシーンに意図的にやっているのかなあと感じます。
「勘違いしないでよね」のび太のツンデレ。絵に描いたようなツンデレですね。
個人的な疑問点は、敵に撃たれて、
なぜトラックから出てきたのか、というところです。
いつの間に入ったの? という疑問です。


・ゴミになんかならないピヨ!
次元震でうら山にうもれていたザンダクロス。
ピッポが中に入り、暴れ出します。そのときのBGMがカッコよすぎます! 
はじめて観たとき、これも「これがクライマックスか?」と思っちゃいましたよ。
マンティスたちは驚きます。
鉄人ドラアナ団もアナウンサーだけあって、いい仕事をしてくれていますが、
「ジュ、ジュドが暴れ出しました」は少し違和感があったように思います。


・しずかちゃんがリルルを介抱
ピッポを追ってしずかちゃんの家へ。
マンティスがしずかちゃんを排除しようとしましたが、
のび太の空気砲で間一髪。
偶然空気砲を装着していたことが疑問になりましたが、
危険な状況に備えて、空気砲を装着させていたのでしょう。
議論の末、リルルを助けることになりました。
そのときのピッポの安堵の表情が印象的です。
ピッポがしずかちゃんに「じゃあ出てって」と言われるところはクスッとしましたが、
「大丈夫、きっと助けるから」。うわぁ、涙腺が〜!
見事です。本当に見事です!


・空き地バーベキュー
ガミテルさんもおしゃっていましたが、
スーパーでのび太がカップラーメンを買い占めているのがタイムリーですね。
鉄人兵団の襲来が近づいているのに、つきぬけたような笑顔。
そんななか、「君がいてくれるなら」の歌声とギターは心に響きます。


・取り消しなさいっ
しずかちゃんに助けてもらいながら、しずかちゃんを傷つけます。
うわっひどい、と不快な気持ちになります。
同時に、腕が壊れるリルル。
せっかく治ってきたのに……という不安を煽ります。
さすがのしずかちゃんでも、介抱を放棄します。
そんなとき高台で見つけたのは、捨てられた人形。
人間にロボットの気持ちなんて分かりっこない、と思った直後、
人形に「泣かないで……」。それであきらめず、
介抱することにしたしずかちゃんの心に感動しますね。

・どんどん「人間」側になっていくピッポ
リルルがピッポを助け,しずかちゃんがリルルを助けるという似たような構図。
それに気づきはっとするリルル。こっちも,はっとさせられます。

・望遠磁石でピッポ引き寄せ
それまでのしっとりムードから,ピッポがのび太の頭の上にのって,
楽しいムードに。これで子どもたちも飽きさせません。
緊急会議。ピッポってけっこう被害妄想が大きいのね。
「ちんちくりん」って自分で思っていたんだね。

・リルルに「眠っててね」
リルルがはき出したとき,
私はうわっ眠ってないじゃん! これやばくない!?と思いました。
旧作のときは悪魔みたいにニヤリとしていますね。

・ピッポとのび太のやりとり
山から霧がおりてくる……霧の湖畔を歩くのび太……素晴らしい場面。

・リルルとのび太
「撃って!」。原作でも有名だと言われているこのシーン。
私は新鉄人を見るまでこれをクライマックスだと思っていました。
で,のび太がリルルを殺して終わる……と。←
総司令部たちに見つかり尋問されているときにのび太に話しかけるドラえもん。
そのときの振り返るときの表情は,「自分も見つかったか」という絶望の顔。
リルルも危ない,そしてピッポも気絶している……のび太にとって酷な場面。
リルル死刑場面もショッキング。でも,ザンダクロスで救出するシーンの
BGMが最高。総司令官とのびドラが目をあわせるシーンが素晴らしい。

・闘い
私が非常に驚いたのは,のびドラたちとしずかちゃんが別行動をとるということ。
これまでの映画ドラの歴史を覆したと思いました。(私はわさドラしか知らないので)
神様に文句に行ったしずリル。
そして,歴史を変えるのと鉄人兵団と戦うのと,同時並行の闘いになります。
それも私にとっては衝撃的でした。
自己犠牲的なリルルの行動には泣けてきます。
あの激しい感動BGMに戦闘シーンのみならず
頭脳改造シーンも並行しているのがびびっときます。
あまり注目されませんが,博士の死去も衝撃的。
人が死ぬっていうことが今までドラ映画でなかったので。
コーラスで悲壮のBGMにのって闘いのシーンがあるのもミスマッチなようで,
的を射ています。もう負け寸前だもの。
本当に驚きました。なんやかんやあって,闘いには勝つものだと思っていたので。

・消えていく……
フルメタルに見えました。(2013年の「ひみつ道具博物館」を観たあとの感想)
美夜子のママもだし,ひょっとして寺本監督は「消える」系が好き……?
それにしても……BGMがすごすぎ。
博士は亡くなる,リルルは消える,……しずかちゃんの孤独は半端ない。
「メカトピアも地球のような天国のような世界に……」
これを聞くと,現実の地球を情けなく思ってしまいます。
リルルの理想とはほど遠い……。
湖畔のみんなの影の動きが……泣ける……。

・天使になった……
最初見たときには「実際に現れるのは不要なんじゃないか」と思いましたが,
さすがに劇場で10回もみたら,大事なシーンだと思うようになりましたね。
最後の最後まで精巧に作られていました……。

以上です!
最高の映画です!

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コメント(12件)

内 容 ニックネーム/日時
新鉄人兵団、改めて素晴らしい出来でした。僕は、震災の影響で二度しか(二度も?)見られなかったのですが、改めて細かい映画だなというのが率直な感想です。もちろん細かな設定や動きの繊細さはピカ一なのですが、ストーリー性・心の移り変わりの描き方の細かさには驚かされます。歴代映画ドラえもんでは、緑の巨人伝を優に抜くアクションシーンのクウォリティーでした。緑の巨人伝を始めてみたときも、ドラえもん映画とは思えぬアクションシーンだなと思ったのですが、今回は劇場版エヴァンゲリヲンを思わせるようなアクションシーンでした。エヴァンゲリヲンよく知らないけど…
なぜのび太がしずかちゃんの家のお風呂を選んだのかですが、僕は昼間でも水が張っているのはしずかちゃんちしかないと考えたからだと思います。のび太たちの家は昼間お風呂には入らないので湯船には水が入っていないでしょう。しかし、最低でも3回お風呂に入るしずかちゃんの家ならばお湯or水が張っている可能性は極めて高いですからね。
とにかく、DVDとサントラの発売が待ち遠しいです。少なくとも5年は待てません!!(サントラ)
劇場でしか楽しめない臨場感を楽しめたので、次はDVDでじっくり見たいです。
こっち
2011/05/01 01:17
こっちさん、コメントありがとうございます!

まずは、少なくとも間接的に震災の影響に遭われたことをお見舞い申し上げます。
今回の映画は本当にひきつけられるものがありますね!

>昼間でも水が張っているのはしずかちゃんちしかないと考えたからだと思います。
なるほど!! ものすごく納得できます! しずかちゃんの家の風呂に行かねばストーリーがすすまない、という事情以外の根拠をつかむことができました! ありがとうございます!

DVDとサントラを出す会社が、この映画の反響に気づき、「一刻も早く世に出すことが我が社としても有利だ!」と考えて、例年よりも大幅に早く発売してくれることを祈っています(笑)。
のびみつ(管理人)
2011/05/04 00:39
ブルーレイ&DVDが発売になりましたね。
絵コンテにあるピッポ誕生シーンの道具の説明(回想)のシーンが本編ではカットされていますね。
こっち(2度目)
2011/12/16 18:47
発売になりましたね! 
道具の説明があったんですね。想像したらあってもかわいくてよかったかな,と思ったのですが,おそらく映画の時間が足りなかったんですね。アニメづくりは細かくて難しそうです。こっちさん,頑張ってくださいね!
のびみつ(管理人)
2011/12/17 10:01
という流れで、再現にいたったわけですね!
こっち(3度目)
2012/11/22 16:44
おぉぉぉなるほどーー!!!
このコメント欄がきっかけだったとは,ありがたいかぎりです。
一方で,感想のつづきが書けずにすみません。つづきスプレーがあればよかったのですがねぇ。
のびみつ(管理人)
2012/11/23 00:56
つづきスプレー!!
シューーーーーーーッ
こっちん
2013/04/01 19:44
つづきスプレーをかけられて,絶望的と思われていた工事が終わりました!
のびみつ(管理人)
2013/04/02 23:33
タイムふろしき〜♪
時間をさかのぼるんだ〜♪
もうすぐすべて消える。
この記事は、消えるんだ!!
こっちん
2013/04/02 23:36
こっちんさん,意外と残酷ですね(笑)。
のびみつ(管理人)
2013/04/02 23:45
こっちんって人残酷ですね〜
のびみつさんの気持ちがわかりますよ。
こっち(4度目)
2013/04/02 23:51
管理画面によると,こっちんさんとこっちさんが同じIPアドレスなのですが,どういうことでしょう(笑)。遠隔操作……?
のびみつ(管理人)
2013/04/03 00:04

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わさドラ感想第47回 新のび太と鉄人兵団(2011) のび太リアニズム/BIGLOBEウェブリブログ
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