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zoom RSS なぜ「タコDEポン!アシHAポン!」はハマるのか

<<   作成日時 : 2010/05/08 21:30   >>

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※若干再編集しました
幻となってしまった? 平成パーマン。
ドラえもんの声優交代のどさくさに紛れて、
息をひそめてしまいました。
映画ドラえもん「のび太の人魚大海戦」(2010)にも
パーマンが出てきたように(のび太の部屋のマンガ)
制作陣はその存在を忘れていないようですが、
一向に再開のメドはたっていません。
あんなに続きを予感させる終わり方をしたのに……。


さて、今回は2004年映画パーマンの主題歌である
「タコDEポン!アシHAポン!」をとりあげます。
映画本編はとりあげません。予めご了承ください。


作詞:斎藤謙策 作曲・編曲:ジャック・伝ヨール
歌:三輪勝恵 セリフ:広川太一郎


私が「パーマンザ★ベスト」を購入したのは、
この曲のため、というのが80%。
それほどまでに衝撃的な曲でした。

歌詞は一見すると意味不明です。
しかし、非常に軽快なリズムにのせられて、
歌詞の意味よりもリズムで病みつきになります。
その後歌詞を考えてみると、
とにかくリズムを追求したような歌詞になっていることがわかります。

そしてポイントは、
作詞者と作曲者が一致しない点。
このお二人は非常に息が合っています。
とても2人でなせるわざとは思えません。
負担はかかりますが、作詞と作曲を一人でやる方が
よっぽど簡単だと思います。
たとえば、作詞してから作曲した場合、
「ふつうの歌詞」ではないですから、作曲は大変だったことでしょう。
その上、とにかく歌詞が膨大。
それをてきぱきと3分8秒に収めたので、素晴らしい限りです。
一方、作曲してから作詞した場合、作詞の方が大変だったでしょう。
限られた時間でこれだけの歌詞を収めたことも
素晴らしい限りです。

歌、セリフともない部分はほとんどなく、
一部を除きほとんどハイテンションです。
私にとっては、ほとんど全てが「サビ」。

では、少しずつこの曲の魅力を見ていこうと思います。

● 作曲

メロディーにも一部パーマン的要素があるのではないでしょうか。
冒頭、メロディーがまるで何回も階段を駆け上がるような部分があります。
1番と2番の間奏部分、2番の冒頭にもあります。
これはまさしくパーマンバッジの受信音を強く意識しているものと
思われます。

私の考えすぎかもしれませんが、
パーマンソングとしてこの効果を考慮してもよいのではないでしょうか。
サビ(タコDE…)に入る前にこのメロディーの階段を逆に駆け下りていますが、
サビを際立たせるためと思われます。

セリフ「オ〜ウィ〜」(2分22秒付近)の付近で唯一無音状態となります。
これも繰り返し部分を際立たせる効果があるでしょう。


● 作詞
※大量に述べます

斎藤氏大偉業。
フランス語を自然に含ませた大変アカデミックな歌詞ながら、
それをだじゃれとして使うことで、
堅苦しさが皆無のさわやかな歌詞になっています。
さらに、漢詩によく使われるような技法をくまなく使い、
高尚なリズム感を生み出し、聴く人をとりこにします。
使われているフランス語については、
既に詳しく解説されている方がいらっしゃいますので、
ここではとりあげません。というかのびみつ、フランス語ダメダメ



まず、冒頭の一行。まったく意味不明です。
「エンジェル」って誰?
何を「感じる」の?
なんで「ジュース」なの?
ツッコミ無意味です。ツッコんだら負けです。
冒頭で、聴く人に不審な思いを抱かせます。
2行目も意味不明で、聴く人はここであきらめるでしょう。
「歌詞の意味を考えるのはやめよう」、と。

そして、押韻の嵐。
たとえば、「ZE」。セリフ含め、3回。
「ほ〜ら」と「空」の「O〜A」。
なお、この一行だけは歌詞はまともで、
メロディー的にも若干かっこいいところです。(2番も同じ)

押韻だけでなく、微妙に変形しているというのもツボ。
「BON」→「PON」→「BAN」 ……@
これは押韻といえるかどうか分かりませんが、
似た音を並べていますので、押韻のなかまとして考えてよいのでは。
ついつい音の最後を注目してしまいましたが、
「YUME」→「IKA」→「AZABU」
のように、最初の母音もきれいに
「U」→「I」→「A」……A
となっており、Aは@の押韻?とあわせて
非常に心地よいリズムを生み出していると思います。

サビに入ります。
「タコDEポン…」のところ、「PON」で押韻はいうまでもありません。
「ジュとジュで」以降は本領発揮。
たった4秒もの間に
「ジュ」4回、「チュ」1回。
「ュ」としては計5回の押韻があったことになります。
すさまじいことです。

「パーマン」ではなく、
「パ・ア・マーン」が素敵。

間奏にセリフが入り、
環境保護を訴えています(笑)。
そのセリフにニヤニヤしている暇もなく、2番に移ります。

「ボンソワ」、「側」、「蕎麦」で「OA」3回押韻。
さらに、「側」・「蕎麦」で掛詞(単なるだじゃれ!)。
続いて、
カタカナ5文字で「―RA」と韻を踏み、
韻を踏んだだけの意味をなさない歌詞に
「何だソリャさ!」と歌詞が歌詞にツッコミを入れます。
それまでシラーとしている人がいたならば、
ここでその人はこの曲を許します。
呆れつつ、ハマっているという構図がここに成り立つでしょう。

「旅」「海」で「I」で押韻。

「カバもバカンス」で
ごくごく一部分に歌詞のシンメトリーが誕生、
耳へ入ってくるその均整美に魅了されます。 大げさかな(笑)
「バカンス」以降は、セリフの直前まで
口に負担がかからないようになっています。
すなわち、母音を
「バカンス」→「U」→「無(MU)味」
「無臭」→「U」→「ス(SU)ッテン」として、
すらすらと言いやすいようになっています。
「コロリン」で繰り返しによる押韻。

サビに入り、
「トゥア」と「ドア」で押韻?
※よーく聴くと、三輪氏は、
「ド (ゥ)ア」と歌っておられます。
つまり、若干「W」の音が聞こえます。
少なくともあからさまな「ア」ではありません。
これも、少しでも韻を踏むためだと思われます。

「トレビアン」を分解し、
それを足し算することで「トレビアン」。
「ジュとジュでニジュ」もありましたし、
この曲には足し算が複数含まれていることもポイントです。
そして、「AN」の押韻で
みつ夫氏(三輪勝恵氏)が女言葉を使用。
もともと三輪氏は女性なのに、この女言葉で
「聞いてはいけないものを聞いてしまった」
と思ってしまうのも、この曲の特徴の一つでしょうか……?

歌にかぶさるセリフも、
雲行きが怪しく「空」と「そーら(感動詞)」の掛詞が高尚です。

そしてさらに高尚なのが、
長い間奏のセリフです。
漢文でみられる承逓法、すなわち連鎖法が使用されています。
パーマネント……くるくる
         →くるくる回る風車
                  →車だらけ…
というふうに、
最後のことばを次の文の最初に次々ともってくる修辞法です。
これにはただただ感服させられます。


もう一度述べますが、
随所にフランス語が潜んでいます。
最後の最後の「しめサバ」までフランス語があります。

このように、フランス語を日本語に潜ませながら、
同時に数々の押韻、そして高尚な修辞法をからめさせて、
三輪氏の独特の声、広川氏のなまった言い方によって、
パーマンソング史上、飛び抜けて異色の名曲(迷曲?)となったのが、
「タコDEポン!アシHAポン!」だと思われます。
我々が漢詩に触れるとき、
押韻の美しさに息を呑むことがけっこうありますが、
それが歌詞に無数にちりばめられています。
メロディーもさることながら、
「音としてのことばの美しさ」
を身をもって実感できるのがこの曲の醍醐味であり、
それが「意味不明だけれどハマる」ことにつながっているのではないでしょうか。

なお、この曲は
「パーマンザ★ベスト」のみに収録されています。
インターネット上での注目度もかなり低いようで、
知る人ぞ知る秘境的名曲に違いないでしょう。

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